スマホのゲームやSNSなどインターネットの使いすぎで日常生活に支障をきたす「ネット依存」の疑いが強い中高生が全国で推計93万人に上ることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。5年前と比べて約40年増え、特に中学生で倍増した。授業中の居眠りや遅刻など学校生活にも支障が出ていた。
17年度 厚労省研究班推計
2017年度、全国の中学校・高校184校に調査を依頼し、103校の約6万4千人から回答を得た。「使用期間を短くしようとして落ち込みやイライラを感じるか」など8問中5問以上が当てはまれば、依存の疑いが強いと判断した。ネット依存の疑いが強い生徒の割合は、中学生で12.4%(12年度6.0%)高校生は16%(同9.4%)。中高生全体では7人に1人の割合だ。最も割合の低い中学1年(10%)でさえ、12年度の高校生を上回るなど低年齢化が進んでいた。また、8問中3問または4問が当てはまる、「ネット使用に問題がないとはいえない」生徒は中学生で22.2%、高校生で27.6%約161万人に上ると見積もられた。
5年前より40万人増 進低年齢化
回答者全体でみると、中学生の7割、高校生の9割がスマホを利用。各学年とも8割前後が動画サイト、7割前後が情報検索に使っていた。オンラインゲームは男子で多く、SNSは女子で多かった。ネットの使い過ぎによる問題は、成績低下や居眠り、遅刻、友人とのトラブルが多かった。尾崎教授は「今回の調査では欠席している人は含まれておらず、問題を抱えている生徒はもっと多い可能性がある」と話す。ネット依存のうちゲームのやり過ぎで日常生活が送れなくなる「ゲーム障害」について、世界保健機関「WHO」は6月に公表した国際疾病分類に初めて明記し、精神疾患として認めた。ネット使用は中学生になる前から始まっている。内閣府が昨年実施した10歳未満の子どもを対象にした調査では、9歳児の約65.8%、2歳児も28.2%、がネットを使っていた。
ネット依存の危険度がわかる質問項目
8項目のうち、5項目以上に当てはまると、ネット依存の疑い
□ネットに夢中になっていると感じているか
□満足のため使用期間を長くしなければと感じている
□制限や中止を試みたが、上手くいかないことが度々あった
□使用期間を短くしようとして落ち込みやイライラを感じるか
□使い始めに考えたよりちぃう時間したことがあるか
□ネットで人間関係を台無しにしたことがあるか
□熱中し過ぎを隠すため、家族や学校の先生らに嘘をついたことがあるか
□問題や絶望、不安などから逃げるためにネットを使うか
厚生労働省研究班調査課から・・